近年の金利上昇や収益物件融資の審査厳格化により投資収益の見通しが大きく変化しています。
その中で、本来は立地や利回りなど「収益性」が最も重視されてきた不動産投資の世界において、新たな評価軸として
注目されているのが建築物の「性能」です。
特に2025年の省エネ法改正により、新築はもちろん中古物件でも物件性能評価が資産価値に影響を与える時代へと
移行しつつあります。
世界的な脱炭素の流れの中、不動産分野も例外ではありません。
日本国内でも「2050年カーボンニュートラル」「2030年度温室効果ガス46%削減」の実現に向けた対策強化が進み、
建築物省エネ法(建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律)が制定・改正されました。
これにより、建物にも省エネ性能を備えることが求められ、小規模アパートやマンションも例外ではなくなっています。
新築時に一定の省エネ性能を備える必要があり、投資物件でも注目すべき制度となっています。
性能表示「BELS」や「ZEH」・「LCCM」などが市場価値の判定基準に
近年、不動産の価値判断において 省エネ性能の可視化 が強く求められるようになってきました。
中でも活用が広がっているのが『 BELS、ZEH、LCCM』 といった客観的基準です。

★主な性能表示制度
| 指標 | 概要 | 投資家メリット | 入居者メリット | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| ZEH-M | 断熱向上+省エネ+創エネで年間の一次エネルギー収支ゼロを目指す集合住宅 | 補助金活用が可能、競争力大 | 光熱費負担が軽減、 快適な住環境 | |||
| ZEH-M Oriented | 断熱強化+省エネ設備で基準値より20%以上削減 〈創エネ(太陽光などの設置)は任意〉 | 金融機関でプラス評価、 出口でも差別化 | エアコン効率など暮らしの負担軽減 | |||
| BELS | ★1〜5の星評価で省エネ性能を見える化する制度 | 売却時の説明性と価格訴求がしやすい | 性能の良し悪しが 初見で分かる | |||
| LCCM | ライフサイクル全体でCO₂排出を実質ゼロへ | ESG投資に適合、先進性の象徴 | 高い環境性能= 安心・健康性向上 | |||
こうした認証取得は、「入居者からの選ばれやすさ」「売却時の競争力」「 長期的な資産価値維持」につながるため、
これからの投資判断の軸にもなります。
環境対応は入居ニーズにも直結

エネルギー価格の高騰やSDGs意識の浸透により、「環境配慮型の住まいを選びたい」 というニーズが高まる中、
環境配慮型物件は入居者にもメリットが多くみられます。
例えば、断熱性能の高い住宅は、室内温度が外気の影響を受けにくくなります。
また、室内から外に温度が逃げにくくもあり、季節を問わず快適な室温を維持しやすいという特徴があります。
そのため、冷暖房の効率が上がり少ない電力で快適な室温を保つことが可能になります。
日々の生活に欠かせない光熱費の節約になります。光熱費の高騰が続く昨今、
電気代やガス代を削減できる点は、入居者にとって魅力的なポイントとなるでしょう。
結果として入居者だけでなく物件所有者にとっても、
「長期入居の安定」「空室リスクの低減」「収益の持続性向上 」が期待できる為、
環境投資物件は双方に多くのメリットを生み出すことができるのです。
金融機関は「省エネ性能=評価対象」へ
現在、多くの金融機関がESG投融資の強化を進めています。
これは金融庁が脱炭素への貢献を促していることが背景にあります。
今後は、省エネ性能の高低が融資条件に直接反映される傾向がさらに強まると見られます。
・省エネ性能が高い物件 → 融資が通りやすい&金利優遇
・性能が低い物件 → 融資年数が短縮/金利上乗せの可能性

すでに、新築だけでなく既存建築物の省エネ改修にも各種優遇措置が取られています。
住宅・建築物省エネ改修推進事業
既存住宅・建築物の省エネ化改修工事に対する補助金制度です。省エネ基準に適合するレベルへの住宅改修で30万円/戸、
ZEHレベルへの改修で70万円/戸などが交付されます。
非住宅は補助率23%、1m2あたりで補助額が定められます。
既存建築物省エネ化推進事業
20%以上の省エネ効果を見込める、既存建築物の省エネ改修工事に対する補助金制度です。
補助率は1/3までで、1プロジェクトあたり5,000万円が交付されます。
実際に、一部の金融機関では、省エネ住宅ローンの導入 や 環境性能に基づく評価加点制度 が始まっています。
これにより、省エネ改修や高性能住宅は「環境価値」だけでなく、実質利回りの向上 という
経済的メリットにも直結しています。
環境投資は“価値への投資”
改正省エネ法は、投資用不動産に次の変化をもたらします。
・融資 → 環境性能が審査の決め手に
・賃貸需要 → 光熱費と快適性で差別化・売却 → 評価基準が性能重視へ
つまり、時代に選ばれる不動産 ≒ 環境性能対応物件
初期コストは増えるものの、金融評価・市場価値・運用安定化という明確なリターンが見込めるため、
今後の不動産投資では、対応の早さが競争力の源泉となるでしょう。
PLANINVESTでは、築浅や築古の物件以外にも、環境投資に優れたZEH水準の新築アパートを
お取り扱いさせていただいてます。
是非、ご興味のある方は下記コラム記事をご覧ください。
住宅性能評価や環境水準の向上は今後ますます融資や投資判断の重要な要素となります。
補助制度や金融優遇を踏まえた最適な計画立案については、ぜひご相談ください。
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